アウトプットの方法

アウトプットは言語習得の認知プロセス(気づき→理解→内在化→統合)を効率的に促進する役割があります。では、どのようにアウトプットをおこなえば良いのでしょうか。いくつかアウトプットのやり方を紹介します。

 

英語をつかってグループでコミュニケーションをとることはとても良い方法です。意味干渉によって認知プロセスが促進されますし、正解不正解のフィードバックで理解の「穴」を発見し、次のインプットでの気付きにつながります。

 

英語でのコミュニケーションが難しい場合は、1人で頭の中で英語を話してみるというのもオススメです。これはリハーサルと呼ばれ、fMRIで観測しても声に出して実際に言う場合と類似した活動を脳がおこなっていることが確認されています。

 

また、「ディクトグロス」(dictogloss)と呼ばれる方法は、比較的短いテキストを聞いたあとに、学習者が知っている単語でメモを取り、そのメモを参考にもとの文章を復元、オリジナルとの比較検証をします。これは聞き取る文章をすべて書き出していくディクテーションとは異なり、かなり能動的な方法です。

 

認知プロセスが促進されると、アウトプットのスピーチプロダクション・モデルにおける概念化→形式化→調音化の自動化が進みます。

自動化を強化するために、同じアウトプットを複数回繰り返す反復はとても重要です。最初のアウトプットは意識が意味内容(何を話すか)に集中していますが、同じ内容を繰り返していると「どう話すか」に集中できる余裕が生まれます。これによってスピーチプロダクション・モデルのプロセス自動化が促進されるのです。