中間言語への取り込み

第二言語習得において学習者がたどる習得プロセスというものが存在します。大雑把に言うと、中間言語の構築を挟むモデルなわけですが、どのように中間言語が構築されるのかについても研究が進んでいます。こちらです:

1. 気づき (noticing)

2. 理解 (comprehension)

3. 内在化 (intake)

 

内在化が中間言語への取り込みのことです。なので、ここでは1と2について説明しましょう。

 

1. 気づき:
私たちは膨大な情報に囲まれていますが、それらすべてをインプットしているわけではありません。注意を向けたものだけが意識的にインプットされます。この「注意を向ける」ことが「気づき」の意味です。意識的にインプットされたものは短期記憶として保持されます。

 

2. 理解:
理解には浅い理解と深い理解の2段階があります。浅い理解は言葉の意味がわかるくらいの理解です。book, tree等、単語の意味は知っているといった具合ですね。深い理解ではこれらを実際に文章のなかで使えるくらいの理解です。bookの複数系はbooksだとか、木の根元はat the base of a treeだとか。

深い理解は仮説形成とも呼ばれます。bookの使い方はこれで合ってるのか?等、実際に使う場合には仮説を立てながらやっていくわけです。

 

以上の気づきと理解を経て、インプットした情報を学習者の中間言語へと取り込みます。これを内在化と言います。内在化においては既存の情報と獲得した情報の照らし合わせがおこなわれ、仮説検証が実施されます。このように中間言語が構築されていくのです。