臨界期仮説 〜子どもに有利な学習環境と大人に有利な学習環境〜

言語学習に有利なのは子どもたちだという仮説があります。12〜13歳の思春期までの子どものほうが英語の習得が早いというやつです。これは「臨界期仮説」と呼ばれます。

 

じつは子供と大人では得意とする学習が異なります。子どもが得意なのは「暗示的学習」(implicit learning)と呼ばれる学習で、無意識で言語を習得していきます。

一方、大人が得意なのは「明示的学習」(explicit learning)と呼ばれる意識的な学習です。

 

暗示的学習に欠かせないのが大量のインプット。赤ん坊が母語を習得するため1万1520時間という膨大なインプットをおこなっているのが良い例です。そして、大量のインプットが生まれる環境は英語が使われる国に移住する等の英語環境に身を置くことです。

 

明示的学習は少ないインプット(といっても2200時間くらいは必要ですが)で英語を習得します。文法等を意識的に学び、中間言語を効率よく構築し、アウトプットを繰り返す。こちらは日本で英語を学習するような、外国語環境において効果を発揮します。

 

つまり、子どもは英語環境で、大人は外国語環境でそれぞれ強みを持っているということです。もちろんインプットは最重要なので、早く学習をスタートして多くのインプットをおこなうことは英語習得に多大な影響を与えます。

ただ、大人になってから英語を学習してもしょうがないと考えるのはやめましょう。適切な時間、適切な学習をおこなえば、大人になってからでも十分英語習得は可能なのです。