アウトプットしないとダメなのか

アウトプット仮説と呼ばれる説があります。これはインプットだけではなく、アウトプットによって言語習得が促進されると主張する説です。実際に、アウトプットをまったくおこなわない場合にある程度言語習得が止まってしまう事例がいくつも確認されています。

 

さて、ではアウトプットの意味とは何でしょう。

1つはアウトプットによって知識の欠落部分を発見することができるということがあげられます。アウトプットしなければ気づかなかった欠落は多く潜んでいて、そのような欠落を発見し、次のインプット時により注意を向けることで効果的な学習につながるわけです。

 

2つ目は中間言語の検証ですね。中間言語はいわば仮説として組み立てられた言語体系です。仮説は検証することで実証されるため、アウトプットによって目標言語にたいしての正解不正解を見極めることができます。そして、中間言語の強化=目標言語へ近づくこと、が達成されます。

 

また、アウトプットとインプットは異なる言語処理がおこなわれているため、別な角度から習得を促進することができます。

例えば、インプットでは重要な単語だけ聞き取って文を理解できますが、アウトプットしようとすれば細かい点も表現しなければなりません。この細かい点にたいする注意によって総合的に言語習得がすすむわけです。

 

このようにインプットだけではなくアウトプットも言語習得において重要な役割を担っています。