記憶と言語習得

人間が瞬間的に記憶できる情報は7個くらいという話をご存知でしょうか。例えば、7桁の数字であれば多くの人が瞬間的に覚えることができますが、携帯番号のように11桁の数字になると覚えることができる人の割合が極端に下がります。ところが、私たちは実際に多くのことをとても長い間覚えています。

 

これは、記憶の二重貯蔵モデルで説明ができます。短期記憶の貯蔵量と、長期記憶の貯蔵量が違うということですね。

 

記憶の二重貯蔵モデル:

インプット→短期記憶→長期記憶→アウトプット

 

短期記憶から長期記憶へ情報を移すためには短期記憶された情報をリハーサルによって強化する必要があります。また、言語習得の認知プロセスで言う、深い理解をおこなった方がより長期記憶へと情報が移りやすいです。

 

認知プロセスの気づき、浅い理解、深い理解、内在化までが短期記憶です。最後の統合が、情報の長期記憶と処理の自動化にあたります。つまり、言語習得において認知プロセスと記憶の二重貯蔵モデルは対応関係にあるわけです。

 

もちろん言語習得は単なる記憶でとどまらず、アウトプットによってコミュニケーションを図ったり、社会文化に同化することも含むため、どちらかというと言語習得が記憶の二重貯蔵モデルを内包している感じですね。