英語の威力

英語学習者にとって、英語の価値はとても興味があることだと思います。言語の価値を決めるのは簡単ではないですが、シンプルに利用状況を他の言語と比べてみることにしましょう。

 

世界で英語を話す人は約15億人です。これは、母国語として利用する人も、第二言語や外国語として利用する人も含めた数です。

世界の人口は現在約70億人なので、5人に1人が英語を話すわけです。世界で一番利用されている言語です。

 

また、インターネット上で利用される言語の4分の1以上が英語です。こちらもまた、インターネット上でもっとも利用されている言語が英語ということになります。

 

これらの事実から、言語を情報伝達手段=武器としてその能力を判断するなら、英語は言語としてもっとも威力が高いと言えます。

もちろん言語にはさまざまな役割や側面があり、単純に言い切れないのは当たり前ですが、英語学習者にとって自分が学習している言語の良い面を見るのはモチベーション維持に役立つでしょう。

 

繰り返しますが、英語はもっとも威力の高い言語です。学ぶ価値があります。やる気でましたか?

 

 

ビギナーズフェーズのトレーニング: ビギナーズグラマー

ビギナーズフェーズにおけるフェーズ1、ビギナーズグラマーについて説明します。

 

フェーズ1:
・発音記号をマスターする
・ビギナーズグラマーを覚える

 

ビギナーズグラマーとはこれから英語学習をはじめるにあたって最低限覚えておくべき文法です。ここで言う「覚える」は文字通り、本を読んで覚えるだけで良いです。体得に至るのは次のフェーズから。

 

文法と聞いて顔をしかめる人も多いでしょう。安心してください。ビギナーズグラマーでは本当に基礎的な文法だけをやります。具体的に言うと:

 

・be動詞と一般動詞
・疑問文・否定文・命令文
・現在進行形
・過去形
・過去進行形
・未来
動名詞
・不定詞
・助動詞
・比較
・受動態
・名詞の単数形と複数形
・代名詞
・there is(are)
・接続詞

 

こんなところです。ずらっと並んでる感はありますが、1つ1つ例文を見ていけば何のことはない、どこかで見たことあるような文法です。気楽に構えて大丈夫。

 

繰り返しになりますが、このフェーズでは体得の必要はなく、頭で覚えるだけでOKです。どれも皆さんの記憶に残っている文法なので、集中すれば早い人だと1時間ほどで覚える(思い出す)ことができると思います。はじめて見るという人も覚えることはそんなに多くないので、一日30分くらいで一週間あればクリアできます。

 

発音記号のマスターとビギナーズグラマーを仕上げれば、フェーズ1の終了です。次はフェーズ2。どんどん進みましょう。

 

 

 

ビギナーズフェーズのトレーニング: 発音記号

ビギナーズフェーズのトレーニング内容はいくつかの段階に分かれます。まずはフェーズ1をご紹介しましょう。

 

フェーズ1:
・発音記号をマスターする
・ビギナーズグラマーを覚える

 

フェーズ1は上記2つのトレーニングを含みます。今回は「発音記号をマスターする」についてやります。

 

発音記号は全部でいくつあるかご存知ですか?実は44個しかありません。ひらがなは全部で48文字。ひらがなより少ないんです。

 

44個の発音記号をその時点で完璧に習得するつもりで学習してください。こちらのサイトなんかが便利そうですね。発音記号を見て正しく発音できるようになるようトレーニングしましょう。
http://gyakuten-eigo.net/guide/american-english-phonetic-symbols/

 

ここからは、なぜ学習のもっとも初期の段階で発音記号をやるのか説明します。

 

今後、英語学習を進めていくなかで膨大な数の単語を学習することになります。そして、それらすべての単語に発音記号がつけられています。

発音記号どおりに正しく発音できるようになっていると、これから学習するすべての単語が正しく発音できるということです。

さらに、正しく発音できるということは、大幅なリスニング力の向上を意味します。正しく発音できない言葉は聞き取れません。視覚情報のみで覚えているからです。発音記号をやることで、聴覚情報としてインプットされます。

 

つまり、44個の発音記号をマスターするだけで、今後学習するすべての単語のリスニング・スピーキング能力が身につくのです。

もし正しい発音記号の理解がなければ、あとで発音記号を学習し直し、それからこれまで学習したすべての単語を見直すというとんでもない二度手間が発生するばかりか、一度間違った発音で覚えてしまった単語の矯正も必要になってしまいます。二度手間どころではありません。

なぜ発音記号を最初にマスターすべきか納得いただけたでしょうか。

 

皆さん、ぜひ発音記号をマスターすることを一番最初の目標にしてください。

 

 

 

ビギナーズフェーズとマスターズフェーズ

英語学習において、学習者がおこなうべきトレーニングは大きく2つの段階に分けられます。初学者から中級者までのビギナーズフェーズ。そして、中級者から上級者までのマスターズフェーズです。

 

目安としてTOEICのスコアで言うと、ビギナーズフェーズとマスターズフェーズの境目は下記でしょう。


リスニングセクション: 370
リーディングセクション: 320
http://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/result.html

 

上記のスコア未満がビギナーズフェーズで、以上がマスターズフェーズ。もちろん例外はありますが、便宜上この理解で問題ないです。

 

学習を効率的に進めるために、まずは自分に必要なトレーニングを知ることが重要です。ビギナーズフェーズをクリアする段階でうまくいけばTOEICで690点取れます。それで十分だと言う人はビギナーズフェーズのトレーニングだけで完了して良いわけです。

 

まずは自分のゴールを見定めてから学習に移りましょう。

 

 

 

英語ができるようになるために

英語学習とはトレーニングによって(もしくはダイエットによって)肉体を改造し、シェイプアップした肉体をつかって競技をおこなうこととほとんど同じです。そういう意味では「学習」という言葉は誤解をあたえるかもしれません。これはとても大事なことです。

 

この理解がないと、例えば文法書や単語帳の内容を覚えて終わりという非常に初期の段階で学習を終了してしまいます。学習が初期で止まっているため成果(TOEICや英会話)につながりません。思ったように成果が出ないのでモチベーションが下がり、英語学習を挫折する、という典型的な失敗パターンに陥ります。

 

文法書や単語帳の内容を覚えることが学習の初期段階というのは、人によっては意外かもしれません。学校教育や多くの教材は文法や単語を覚えることを目的としているため、学習者がゴールを誤って見定めるのは仕方ないと言えば仕方ありません。

 

ですが、文法や単語を覚えることは、トレーニングで言うと、腹筋の正しいやり方を覚えただけの状態です。正しい腹筋のやり方は重要ですが、腹筋運動を繰り返すことがトレーニングです。多くの学習者は正しい腹筋を覚えただけで、もう腹筋というトレーニングが終了したと思ってしまいます。

 

英語学習はトレーニングと実践。反復練習によって肉体的変化を生じさせ、実践によって効果を検証し、トレーニングを調整していくというフィードバックループを形成することによりもっとも効率的に上達していきます。

 

覚悟を決めましょう。覚悟が決まれば、あとは適切なトレーニング方法を選択し、うまく自己をコントロールしながらモチベーションを維持し、トレーニングと実践を繰り返すだけです。そうすれば、誰でも「英語ができるようになる」のです。

 

 

 

サジェストペディア

サジェストペディアとはこれまで紹介した言語学習メソッドとは趣を異にし学習環境や学習者の精神状態に着目した学習メソッドです。音楽や暗示をつかって学習者の言語学習にたいする心理的抵抗を弱め、リラックスした状態で学習をすすめます。

 

提唱したのはブルガリアの心理学者ロザノフ。精神療法医でもあり生理学者でもあるロザノフは、暗示の科学サジェストロジーを確立しました。自身の経験から言語学習の際に生じるネガティブな心理状態を解消することで学習効率を高めようという考え方です。

 

詳しくはwikiを。

サジェストペディア - Wikipedia

 

おそらくボキャブラリーベーストアプローチのような比較的単純なことを繰り返すメソッドと相性が良いのではないでしょうか。また、音楽や暗示をつかうことからあまりコミュニケーションアプローチのようなリスニング、スピーキングに集中する集団での学習とは併用できなさそうな感じがします。

 

学習初期段階の最低限のボキャブラリーを獲得するために効果的に活用するのは良さそうだと思いました。

 

 

 

ダイレクトメソッド

学習対象言語のみをつかい学習をすすめる方法です。母国語をつかうことは禁じられます。文法も無視され、発音を重視されます。1900年ごろにドイツとフランスで確立されました。

 

パントマイミング(身ぶり手ぶり)、実生活でつかう言葉、写真や絵などで学習します。ネイティブのような発音でのスピーキングの練習を中心としています。また、質疑応答も多用されます。

 

体験と言語を直接的に結びつけることを目的としていて、実際にコミュニケーションをとることを念頭に置かれています。母国語を学んだ過程と同じように対象の言語を学習すべきとの立場です。

 

訳はしません。口頭でのトレーニングによってリーディングやライティングも伸びるとの思想です。文法は間接的にのみ教えられます。

 

wikiに詳細がありますが、長いのでまた今度詳しくやろうかと。ちなみに日本語のwikiにはダイレクトメソッドの項目が見当たりませんでした。(英語学習サイト等ではいくつか紹介されてます)
https://en.wikipedia.org/wiki/Direct_method_(education)

 

日本でも英語学習関連のサイト、ブログ、書籍は多いですが、あまり紹介されていないメソッドもたくさんありそうです。そういうのを今後も紹介できればいいですね。