英語はどのくらい難しいか

日本人が英語が苦手、という話はよく聞きます。とくにスピーキング能力においては目も当てられないと。本当なのでしょうか。

 

アジア諸国におけるTOEFL iBT®の平均値というデータがありまして、2007年と少し古いですが、日本人の平均スコアは下記の通りです:

リーディングスコア: 16点
・リスニングスコア: 16点
・スピーキングスコア: 15点
・ライティングスコア: 18点

これを見るかぎり、とくにスピーキングが苦手というわけでもなさそうです。

ただ、アジア諸国と合計点の平均を比較すると30国中27番目。下から4番目と悲惨な状況。

 

結論はスピーキング能力がとくに低いというわけではないが、日本人が英語が苦手というのは間違いないと言えるでしょう。(TOEFL iBT®を信頼して)

 

では、なぜ日本人が英語が苦手なのか。それは1つに「言語間の距離」(Language distance)が影響しています。簡単に言うと、日本語と英語はぜんぜん違うということです。

 

ここらへんの研究は外国の方が進んでいるようで、アメリカ国務省がまとめた「英語ネイティブスピーカーにとっての言語難易度」というデータが有用です。

「言語間の距離」が問題なら、逆パターン=英語利用者にとっての日本語習得の難しさがそのまま指標に使えるわけです。

 

「英語ネイティブスピーカーにとっての言語難易度」は習得しやすい言語順にグループ1〜5に各言語をわけています。

そのうちもっとも習得が容易なグループ1に所属する言語はイタリア語やスペイン語等です。こちらは英語と密接に関連している言語です。簡単に言うと、英語とイタリア語やスペイン語は似てるということです。そして、習得目安時間は約600時間となっています。

 

日本語はどうなのかというと、予想どおりグループ5。英語ネイティブスピーカーにとってもっとも習得が困難なグループに所属しています。習得目安時間は約2200時間。グループ1の言語に比べると圧倒的に習得までに時間がかかります。

 

このように、日本人英語学習者の前に困難が待ち受けていることは厳然たる事実です。歯を食いしばって受け入れましょう。その分、日本語と英語の両方を操れる人は世界的にも珍しいということです。そういう珍しい人は市場価値が高くなります。つまり、困難に立ち向かう価値があるということです。

 

がんばりましょう。